1 概況:米金融機関の国有化リスクが意識され続落
先週の日本株は続落し、日経平均は7,500円を割り込んだ。週初の昨年10〜12月期GDP(国内総生産、2/16)は前期比年率▲12.7%と大幅なマイナスに落ち込んだが、むしろ、より積極的な政府の経済対策を促すとの見方やディフェンシブ関連株の買いなどが相場を支え、直接的な影響は限定的であった。
しかし、週を通じてみれば、その他金融や不動産など内需関連株の下落が目立ち、国内景気の冷え込みが強く意識されていることがうかがえる。一方、為替が円安方向に振れ、輸送用機器など一部輸出関連株を支える要因となった。
米国株式相場は続落した。ダウ平均株価(工業株30種)は昨年11月につけた安値を割り込み、2002年10月以来の水準まで値を下げた。金融安定化策(2/10)に対する失望の影響が尾を引き、一部で大手金融機関の国有化観測も台頭する中、金融株の下げが目立った。
大手金融機関のアナリストによる、クレジットカードのデフォルト(債務不履行)率が大幅に増加するといった指摘も、金融株の売りにつながった。オバマ大統領は住宅ローン返済支援策を発表(2/18)したが、住宅ローンの債務不履行を緩和する効果は期待されるが景気の悪化に歯止めを掛けるには至らないとの見方から、株価下支え効果は限定的であった。
2 見通し:景気悪化、金融不安を背景に弱含みの展開
今週の日本株は下値リスクを伴った展開が予想される。引き続き海外株の動向に振らされやすく、米株が一段安となれば、日経平均で昨年11月に記録した取引時間中の安値(6,994円)を試す局面も想定される。
経済指標では1月の貿易統計(2/25)における輸出額や、同鉱工業生産(2/27)の悪化が続く見込みであり、相場にネガティブな影響を与えるだろう。足下の円安基調は下支え要因だが、日本の景気悪化や政局不安が円売り材料になっているとすれば、大幅な株価の押し上げは期待し難い。
米国株式相場は、下値模索の展開を予想する。市場では大手金融機関の国有化リスクが意識されており、買い手控え感の強い相場が続きそうである。経済指標も12月のS&P/ケースシラー住宅価格(2/24)や1月の中古・新築住宅販売件数(2/25、26)、同耐久財受注(2/26)などで悪化が見込まれ、相場の押し下げ要因となる可能性がある。ダウ平均は昨年来安値を更新しており、目先はS&P500指数の安値(752ポイント)が維持されるかが注目される。
3 注目点:米国の金融問題
先週は「グリーンスパン元FRB(米連邦準備制度理事会)議長が複数銀行の一時国有化の可能性を指摘した」、「ドッド米民主党上院議員が、少なくとも短期間は一部銀行の国有化が必要な可能性があると述べた」といった報道が相次ぎ、急速に大手金融機関の国有化が意識されるようになった。
社債のデフォルトリスクに対する市場の見方を示す米銀行セクターのCDSインデックスをみても、先週は大幅に上昇している。こうした中、銀行株は下げ止まりの気配が見えず、相場全体の重石になっている。そもそものきっかけは、2月10日に発表された金融安定化策で具体的内容が示されなかったことであるが、米財務省は今週にも金融安定化策の一部詳細を公表するとの報道もあり、その内容が注目される。
長期的で確実な景気対策が必要です
posted by akito at 21:20|
Comment(1)
|
株式ニュース
|

|